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ESSAY「音楽のこと日々のこと、あれこれ」

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「音楽のこと日々のこと、あれこれ」

ESSAY-102  「良い歌は決して色褪せない」by June Tabor

 
「良い歌は決して色褪せない」これはあるシンガーの言葉。
40年ぶりに再発されたCDの中にあったコメントだ。原文は『A good song never grows old』
2019年10月、ロンドンのキングズプレイスで行われたQuercusのコンサート。
ステージの中心にいる彼女 June Tabor は1947年生まれの71才。
最初は不安定だった声が徐々に深く、そしてどんどん厚みを増してくる。
CDで聴き慣れた大好きな声だ。とにかく低音がいい。軽く歌っているようでいて決して軽くない。ずっと聞いていたくなる。そしてMC。
長く歌うと疲れるの、年だから…なんて自虐的なことで笑いを取っているかと思えば曲の解説というか曲のことを話している。でもこの辺りは私の語学力では聞き取りは残念ながら無理。悔しい。
以前YouTubeでコンサートでMCをしているのを見ことがある。それも長い。勝手にMCはほとんどしない寡黙な人のだと思いこんでいたので非常に驚いた。でも訳がわかった。
さっき書いた再発CDの日本語解説にその答えが書いてあった。若い頃は歌に集中するためにMCは挟んでいなかったらしい。やっぱり!ただ近年はMCを入れていて特に曲についての自分の解釈を話しているようだ。それはたぶん曲に対するある思いからじゃないかな…。
CDの解説の日本語訳がとても素晴らしかったので原文とその訳をそのまま載せようと思う。彼女の足元にも及ばないけれど私も同じことを感じているから…。
 
”Sun and dark she followed him"
 
In transcribing the words of these songs for this re-issue, I am
forcibly struck by their power:by the vividness of the story telling,
the sharpness of the visual images they contain and the depth of
feeling lies behind them.
 
Jealousy, treachery, poverty, prejudice and the futility of war are all
here, but so is love rewarded. Listening again to these songs, I have
smiled, I have rejoiced, I have been angry and I have cried, just as I
did forty years ago and more when I first encountered them.
The fusion of strorg words and music thst is The Song is unique.
 
A good song never grows old.
 
June Tabor
January 2019 
 
晴れの日も曇りの日にも、彼女は彼を追って行く…
 
今回の再発売に当たり全ての歌詞を書き起こしましたが、私はこれらの言葉の力に改めて圧倒されました。その鮮やかなヴィジュアル・イメージ、そしてその奥底に秘められた感情の力です。
ここでは嫉妬、背信、貧窮、偏見、無益な戦いが描かれると同時に、報われる愛も描かれています。再びこれらを聴いたことによって40年前この作品を製作した際、そしてこれらの曲を初めて聴いた40年以上前の時と同様に、今回も喜怒哀楽の全てを味わいました。そして力強い言葉と音楽の融合が。これら全ての作品を唯一無二のものにしています。
 
良い歌は決して色褪せないのです。
 
ジューン・テイバー   (日本語対訳/大熊浩子)
 

2020/02/21  misuzu

ESSAY-102 「良い歌は決して色褪せない」by June Tabor

 
「良い歌は決して色褪せない」これはあるシンガーの言葉。
40年ぶりに再発されたCDの中にあったコメントだ。原文は『A good song never grows old』2019年10月、ロンドンのキングズプレイスで行われたQuercusのコンサート。
ステージの中心にいる彼女 June Tabor は1947年生まれの71才。最初は不安定だった声が徐々に深く、そしてどんどん厚みを増してくる。CDで聴き慣れた大好きな声だ。とにかく低音がいい。軽く歌っているようでいて決して軽くない。ずっと聞いていたくなる。そしてMC。長く歌うと疲れるの、年だから…なんて自虐的なことで笑いを取っているかと思えば曲の解説というか曲のことを話している。でもこの辺りは私の語学力では聞き取りは残念ながら無理。悔しい。以前YouTubeでコンサートでMCをしているのを見ことがある。それも長い。勝手にMCはほとんどしない寡黙な人のだと思いこんでいたので非常に驚いた。でも訳がわかった。さっき書いた再発CDの日本語解説にその答えが書いてあった。若い頃は歌に集中するためにMCは挟んでいなかったらしい。やっぱり!ただ近年はMCを入れていて特に曲についての自分の解釈を話しているようだ。それはたぶん曲に対するある思いからじゃないかな…。
CDの解説の日本語訳がとても素晴らしかったので原文とその訳をそのまま載せようと思う。彼女の足元にも及ばないけれど私も同じことを感じているから…。
 
”Sun and dark she followed him"
 
In transcribing the words of these songs for this re-issue, I am forcibly struck by their power:by the vividness of the story telling, the sharpness of the visual images they contain and the depth of feeling lies behind them.
 
Jealousy, treachery, poverty, prejudice and the futility of war are all here, but so is love rewarded. Listening again to these songs, I have smiled, I have rejoiced, I have been angry and I have cried, just as I did forty years ago and more when I first encountered them.
The fusion of strorg words and music thst is The Song is unique.
 
A good song never grows old.
 
June Tabor
January 2019 
 
晴れの日も曇りの日にも、彼女は彼を追って行く…
 
今回の再発売に当たり全ての歌詞を書き起こしましたが、私はこれらの言葉の力に改めて圧倒されました。その鮮やかなヴィジュアル・イメージ、そしてその奥底に秘められた感情の力です。
ここでは嫉妬、背信、貧窮、偏見、無益な戦いが描かれると同時に、報われる愛も描かれています。再びこれらを聴いたことによって40年前この作品を製作した際、そしてこれらの曲を初めて聴いた40年以上前の時と同様に、今回も喜怒哀楽の全てを味わいました。そして力強い言葉と音楽の融合が。これら全ての作品を唯一無二のものにしています。
 
良い歌は決して色褪せないのです。
 
ジューン・テイバー   (日本語対訳/大熊浩子)
 
2020/02/21  misuzu