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音楽のこと日々のこと、あれこれ

〜音楽に出来ること

3月11日東北を襲った震災は3万人近い人々を飲み来んで行きました。
震災にあわれた地域のみなさまに心よりお見舞いを申し上げます。
本当に痛ましい出来事でした。未だに復興の兆しはわずかにしか見えて来ませんが
国内、海外含めたくさんの支援や援助があり、いろいろと動きはあるようです。
そんな記憶もあざやかな3月21日にgreyish glowのコンサートを行いました。
北海道、それも札幌なので直接の被害はほぼなく、中止する理由はありませんでした。
でも震災直後は札幌でも中止になるイベントやコンサートが多かったようです。
その際、音楽に出来る事…と考えてみました。チャリティコンサート?義援金?
私が考えついたのは「いつも通り」ということでした。
生活面ではパニックになったり、買い占めをしたりしないでいつも通りの日々を過ごす。
そして音楽も「いつも通り」。
実は私が歌っている音楽は戦争や殺人といった「人の死」が含まれているものも多く
英語だとはいえこの状況で…と言われたら返す言葉もないのです。
が、あえて選曲はそのままで演奏しました。
哀しい音楽は人を苦しめるばかりではなく、むしろ心を救うこともあるのです。
古い古い昔から、人は哀しいことや辛い事を歌にして来ました。
それは共感を求める為ではなく、「生きるため」であり「魂のため」だったような
そんな気がするのです。 
歌っている時、私以外の人、それもたくさんの人の力を感じることがあります。
それが何かはわかりませんが、音楽に出来る事はいつもの通り演奏する事。
何かのパワーを感じる時、本当にそう思うのです。
いつの日にかそれをみなさまにも届けることが出来たら…と密かに願っています。
                                       misuzu

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