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 ONLINE 12  ニュアンス  <nuanceについて>

 ニュアンスという言葉があります。
 辞書を引くと「色・音・調子・意味など微妙な差異」とあります。
 よくニュアンスが違うと言いますが微妙な違いとはどんな違いでしょう?
 そして微妙な違いを感じる為にはどうしたらいいのでしょうか?    
 今回はその事を考えてみたいと思います。
 まずニュアンスという言葉をイメージしてみましょう。
 少なくとも頭で理解する事ではなく感覚的である事は想像出来ると思います。
 では具体的に微妙、微細な違いを感じるために必要な事は何でしょうか。
 よく指先の感覚とか舌の感覚と言います。皮膚感という言葉もよく聞く言葉です。
 だとしたら音楽で使う感覚は何でしょうか? 
 大切な感覚器官は耳、つまり聴覚です。
 でも本来は五感といわれる感覚全てと、さらに第六感といわれる部分も使用します。
 今回は「聴覚」に限定して話を進めていきましょう。
 聴覚は感覚器官です。
 音の高低や強弱だけでなくトーンと言われる音の色も聞き分ける事が出来ます。  
 でも実際には音程や強弱は聞き取れても音の色を聞き分けていないことも多いのです。
 聞き分けられない理由のひとつに「音程やリズムにとらわれすぎている」があります。
 とらわれすぎてしまうと他の事に神経を使えなくなります。
 そこで重要なのが「興味」。
 まずは音に色がある事を意識して聞いてみることから始めましょう。
 さてもう少し具体的な話をしましょう。
 歌は声の色(主に音色)の違いを聞き分けることが最初になります。
 でも実はリズムにもニュアンスがありますし、言葉のニュアンスを聞き分ける事も大切です。
 ノリが違うという言葉も違った言い方をするとニュアンスが違うという事です。
 では微妙な違いはどうやって聞き分けられるのでしょうか?
 そしてもっと重要な微妙な違いを表現出来るのでしょうか?
 ここで今すぐに活用出来る方法がイメージです。
 ニュアンスは微妙であるからこそ感覚で捕らえるものです。
 逆に大雑把にイメージで捕らえる事もニュアンスを捕らえる事のひとつなのです。
 ただし本当のニュアンスは微妙、微細なものですからイメージだけでは全てを捉え切れません。
 あくまでもたくさんある中のひとつとして考えて下さい。
 ニュアンスをイメージで捕らえる時に大切な事は細かくイメージする事です。
 具体的でなくてもたとえば形でとらえたり色で捕らえてもいいのです。
 自分で工夫して試してみて下さい。
 本当にニュアンスを掴むために必要な努力は職人を思い浮かべてもらえばいいのですが
 「同じ事を繰り返す」です。
 同じ事を繰り返していると普段と違う微妙な違いを身体が感じる様になって来ます。
 ただ残念ながらこれだけでは歌は歌えません。
 母体になるニュアンスを出せる声と身体が必要です。
 でも何ごとも興味を持つ事が最初の一歩ですからとにかく耳をすまして聞いてみて下さい。
 以前は聞こえなかった音が聞こえたり違った感じに聞こえる事があります。耳は成長します。
 以前聞き取れなかった実妙なニュアンスが聞き取れる様になる日も必ず来ます。
                                       misuzu

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