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 ONLINE 28  身体で覚えるということ   

 レッスンと練習の基本は「身体で覚える、身体に覚えてもらう」です。
 頭による理解はあくまで助け。繰り返しによる身体の経験で覚えることが大切です。
 ではその基本を踏まえて効率のいいレッスンの受け方と練習の仕方を考えてみましょう。
 身体で覚える、と言っても頭を使わない訳ではなく使うべきところがあります。
 さてどこで頭を使うのでしょうか?具体的な例を挙げてみます。
 身体で覚えるわけですからまずは実行。何でも構いませんなにかひとつ先生に言われたことや
 本に書いてあることをやってみましょう。でもやる前にちょっとだけ頭を使います。
 いったいそのレッスンや練習は何が目的ですか?どんなことが出来るようになる為でしょう?
 最初に頭をつかうのは「ここ」です。
 答えや理解が必要なわけではありません。考える事で記憶と結びつけやすくなるのです。
 そしてもうひとつ。目的意識があると中心がぶれない練習になります。
 言い換えると中心がぶれた練習はやっても意味のないことが多いのです。
 そして最初だけでなく時々何が目的か思い出してみましょう。
 思い出すことや目的を再確認することは、音楽以外のことにも有効です。
 次にがんばって練習をしても上手く行かない時にも頭を使ってみましょう。
 言われたことや書いてあることや今までやってきたことを少しだけ変形させてみます。
 大きく変えてみたり、何かをプラスしてみるのもいいかも知れません。
 時には別の練習をしてからまたさっきの練習にもどるのでも構いません。
 このちょっとした変化は頭が考えるものです。何をどうをするかは自由。
 その発想の違いが個性や発見につながります。
 最後にもうひとつ頭を使うヒント。
 レッスンや練習をただ繰り返すだけではなく言われたことややったことを言葉にします。
 自分の言葉に還元するーこれが一番大切なことです。
 他人の言葉や他人のイメージのままでは実感がありません。
 実感が伴って初めてきちんとした記憶や経験となって身体にも頭にもそして心にもしっかりと
 刻まれて行きます。
 頭の中を言葉にするならこんな感じでしょうか。
 「どんな感じ?」「イメージに置き換えると…。」「ええっと…。どういう意味?」
 疑問を持つ。自分の言葉に変換する。常に目的意識を持つ。
 このどれからでも構いません。今日から初めて見ましょう。
 すぐに結果は出ませんが、繰り返し続けることで必ず変化は起こります。
 焦らずじっくり、でもさめないように。
 ちなみに頭を使わなくても出来て行く人もいますので今回の話はあくまで参考。
 身体は自分が思っている以上に優秀です。(2)ではその事を中心にお話しします。 
                                        misuzu

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